衛星データ利用コンテスト 審査結果発表!


審査員総評
衛星データ利用コンテストに参加した皆さん、自分の力で研究した力作を送ってくれてありがとうございました。
皆さんが行った研究には、優れたところがたくさんあります。プロの研究者も使う高度な解析にチャレンジしたり、衛星データ以外の情報も組み合わせて環境や社会について考えたりしていました。このように、地球観測衛星のデータは、ただ観察するだけでなく、疑問に思うことを調べ、地上で何が起きてるのかを考えることで、初めて役に立ちます。
衛星データから分かることは、まだたくさんあります。今回、もう一歩研究しきれなかったことがある皆さん、ぜひ研究を続けて次のコンテストにも応募してください。


最優秀賞 小学生の部

「富士山の周辺やとくちょうについて」小島 雄太郎

レポート内容
(3.1MB)

審査員コメント

トゥルーカラーとフォルスカラーで比較したり、撮影年代で比較したり、温度で比較したり標高で比較したりしながら研究を深めている。 画面を詳しく見ることによって、富士山の火口から東南東の方角に火口らしきものを確かめることができ、これが1707年に噴火した宝永第一火口かと考えることもできた。「えー。面どうくさいって思っていたんだけど、実際やってみると、すごく楽しかった。なので次もチャレンジしてみようと思います。」とい既述が、衛星データの学びを象徴している。富士山を更に解明して下さい。


最優秀賞 中学生の部

「静岡県 富士山」荒川 莉子

レポート内容
(2.5MB)

審査員コメント

トゥルーカラー・フォルスカラー・ナチュラルカラ―での比較を中心に研究を展開している。「トゥルーカラーで見て見にくい所も、フォルスカラーとナチュラルカラーなどにすると見やすくなりました。」と衛星データの特質を実感している。分析ソフトの機能に習熟し「考える」翼を強靱にすることを期待したい。


最優秀賞 高校生の部

「大震災が宮城県松島市に出した被害・
 富士山と雲仙岳の植物の成長の比較」カプロス 顕治

レポート内容
(1.9MB)

審査員コメント

トゥルーカラーとフォルスカラーでの比較、ナチュラルカラー・NDVIでの分析、気象データ(降水量・海水温・海流)の活用等広範囲に研究を展開している。温度、降水量、海流、高さの違いの影響は、植物の成長に関係あるのかなと広域的な考察をしている、一方松島では津波の破壊力と海水の塩分や津波が持ってきたヘドロで植物がかれたのかなと考察している。調査した広範なデータからどのようなことが浮かび上がってくるのかなどをさらに考える翼をひろげて考察を進めて行くと良い。昨年からの継続研究である、今後海外に居住していることを活かし研究を深めることを期待したい。


優秀賞

「衛星データ」広田 朱理

レポート内容
(620KB)

審査員コメント

トゥルーカラーとフォルスカラーとを比較している。「「まちの変化や放射輝度などがわかるのでとても便利だと思いました。このような情報をもとに町の改善がされていけばいいと思いました。」と、データ利用方法に着目している。


審査員特別賞

「空からみた富士山」廣田 琴

レポート内容
(2.5MB)

審査員コメント

フォルスカラーを活用し、富士山のデータを丁寧に観察している。「富士山の右側は、木がはえていないので赤くならないです。いろいろなところがあながあいていてどこが噴火したかわからないです。」などと既述しながら、子どもらしい発想で研究を展開している。そのなかでフォルスカラー活用の意義を確かにしている。


審査員特別賞

「宇宙からくらべた富士山とエベレスト」桜井 千穂

レポート内容
(3.2MB)

審査員コメント

トゥルーカラーとフォルスカラーで比較しGoogle Earth立体で富士とエベレストを比較している。「絵具だと色がぐちゃぐちゃになってしまうけど、光だと色合成できれいになると分かりました。その事で赤+緑+青=白と分かってそれは色合成でそうなってると分かりました」と既述し衛星データ分析の背景を理解することが出来ている。


審査員特別賞

「人間の生活範囲と場所や標高の関係」中村 美月

レポート内容
(44.8MB)

審査員コメント

富士山付近やガンジス川河口付近等の衛星データのフォルスカラー・ナチュラルカラー、輝度温度や標高等多様に分析を展開している。多量のデータを粘り強く項目化して整理している。「人の住んでいるところ」「人のあまり住んでいないところ」という観点で考察をすることができた。温暖化・人類の活動による環境への影響へ研究を発展させようとしている。観測地点のデータを他の時期のデータと比較したり分析を深めることに今後期待したい。


審査員特別賞

「アンコール遺跡はどのように作られたか」原田 浩輔

レポート内容
(779KB)

審査員コメント

トゥルーカラーとフォルスカラーで比較しながら、「アンコール遺跡が建造された時、まず最初に画像の西側の貯水池をつくり、その後東側のアンコールワットとアンコールトムを建造し、周りに溝をほり、貯水池から水を引いてきたのだ」と思いをめぐらすことができている。衛星データを出発点に多くの学びを重ね、さらに豊かな分析を展開する事を期待したい。


審査員特別賞

「消えたアスワンの農業」南 美穂子

レポート内容
(2.2MB)

審査員コメント

植生指数からダム付近に見られる植生は何かという疑問について、「農業が発達しているのではないか」と仮説をたて、植生指数で気になる場所をフォルスカラーで調べ、アスワンハイダム付近でのセンターピポットの農場を見つけた事から研究を深めている。さらに他の資料から農業の振興との関係を比較し、「ではなぜ赤くなっているのか」等論理的に分析を展開し、学校の先生にも関わって頂き研究を深めている.。分析ソフトの固有の操作に習熟し研究を一層深め、その結果と何らかの方法で入手する現地の情報を比較することが出来ることを期待したい。科学する心を持って取り組んだ良い例となっている。


審査員特別賞

「震災後の宮城の植生の変化について」小玉 雄真/伊藤 大貴/千田 龍之介

レポート内容
(4.2MB)

審査員コメント

宮城県松島付近の震災前後の植生の変化に焦点をあて、トゥルーカラー・フォルスカラーナチュラルカラーを用いて比較を行い,季節による違いをきちんと加味した上で津波の被害により大幅に植生面積が減少していることを確かめることができた。データの注意深い分析から津波の被害地域を推定し,津波による植生の被害と回復について思索を広げようとしている。さらに建物についての被害にも分析をめぐらせ考察を行っている。以前の同一季節の衛星データ等との比較など今後研究を深めることを期待したい。


審査員特別賞

「凍っていない湖」堂原 愛士/原之園 楓/伊東 樹里

レポート内容
(3MB)

審査員コメント

周りが雪で覆われているにもかかわらず洞爺湖は凍っていなかった事に着目し研究を展開している。アスワンハイダムについても分析を展開している。 3人で役割分担をすることにより,より多面的な展開をすすめることができている。 「この研究で実際の見た目といろいろな目(バンド1とか)の衛星写真と他のデータを関連づけて確認することができるとわかってよかった」とう表記に研究の持ち味がでている。今後の夏休みを利用して他の地域やテーマで取り組みに期待したい。






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