Google Earthでみつけたよ部門 優秀賞
秋寄 光里 小6
「エッフェル塔」
(審査員からの講評)
Google Earth で建物を上空や横から俯瞰してみられることを利用して、建物の形に注目しました。特に高い建物を支える三角形の構造(トラス構造)に興味を持ち、四角形でなくなぜ三角形なのか、力を分散させる仕組みについて調べて知見を得ています。一般的にGoogle Earthは現地にいかなくても宇宙から見た地球上のあらゆる場所を見ることが出来る利点があります。さらにはそこから発見や疑問に思っていることを解くことの手助けになります。応募作品はそれらを見事に利用しています。
ゆくゆくは簡単な材料でトラス構造とそれ以外の構造を作ってみて強度の比較をするのもよい(四角構造と斜めに一本付加したものなど)と思います。また、宇宙、衛星、惑星、に興味があるとのことですがロシアの宇宙ステーション「ミール」や国際宇宙ステーション「ISS」にもトラス構造が利用されています。
ご指導された方の的確なご指導にも感謝いたします。
自由部門 優秀賞
到遠館高校2年 伊藤龍成,今村健太,川崎夢翔,香田空翔,野中晴仁,藤山亜琉,山本航大 7名
「人工衛星データの解析による森林と大気汚染物質の相関」
(審査員からの講評)
大気汚染物質と森林率に負の相関があることをつきとめ、重回帰分析を用いて標高や河川の流域面積などの説明変数とも比較して結論を得ています。科学的な分析手法のアプローチに挑戦しており、感想に述べられているように物事を問い詰める楽しさを味わうことができた点は大きな意味があります。高校生として優秀な達成度であると考えます。
なお、相関関係は必ずしも因果関係を保証するわけではないことに注意する必要があります。また、森林率との関係性から乾性沈着に結びつけていますが、汚染物質の「排出」についても特に都市域での汚染物質の排出や建物の県あたりの被覆率が重要な要素となる可能性があります。
観測時刻、欠損データ、データの取得方法などを、他の人が読んで同じ分析ができるように記載するとさらに科学的なレポートになります。例えば,大気汚染濃度の県ごとの平均はどのように導出したかを記すと良かったと思います。今後の研究の参考にしていただき,更なる探求に挑戦して下さることを期待しています。
また,雨期など川の水量が増加する時期のデータなど,季節ごとのデータの分析も視野に入れ,分析と考察とのあいだの飛躍の部分を少なくする緻密な論理の構築が目標となるかと思います。
センチネルEOブラウザを使って調べた部門 優秀賞
田中クロエ慶 小6
「植物の再生(ハワイ・マウイ島を中心に)」
(審査員からの講評)
祖父母のゆかりの地としてハワイに興味を持ち、2023年8月8日に発生した火災に関しての植生について衛星データによって調査しています。衛星データは8月8日、火災直前と8月18日のものをトゥルーカラー、フォルスカラーで比較し、更には翌年1月5日のものを植物の回復状況(植生状態)として経時変化を調べていることから、衛星データを使った分析の基礎ができています。また、火災直前の土壌水分(レポートでは「湿度」とありますが、土の水分量です)のデータを確認している点はとても良い着眼点です。火災直後及び4ヶ月後の土壌水分も見て比較すると良いかもしれません。
科学する心を十分に発揮して、祖父母ゆかりの地を調べていることも良いと思います。
なお、なぜ、火災になったのか、マウイ島の火災について消防庁のレポートを紹介します。
月刊フェスク | 一般財団法人日本消防設備安全センター (fesc.or.jp) マウイ島の火災は2024年2月号、4月号に掲載されています。
祖母との会話の中で、思い出のある地だと聞かされたことがきっかけでテーマに取り上げたのは、きっと優しさの表れではないかと感じました。EOブラウザや他の衛星データで調べることも今後ぜひ続けて欲しいです。