映画「この夏の星を見る」より
スターキャッチコンテスト スターキャッチコンテストは、茨城県立土浦第三高等学校の科学部顧問の岡村典夫教諭が発案して2015年に始まった天体観測競技です。 自分たちで作った望遠鏡を使って、星や星雲などの天体をどれだけ早く見つけられるかを競う大会です。まず最初に、参加する学校の生徒たちは、60ミリのレンズを使った本格的な望遠鏡を手作りします。使うのは塩ビパイプや木の板など、身近な材料。でも、光を通す仕組みや焦点を合わせる方法など、しっかりした科学の知識が必要です。望遠鏡作りでは、鏡筒の中を黒く塗って反射を防いだり、紙やすりで切り口をなめらかにしたりと、星がきれいに見えるように、細かい工夫がたくさんあります。作業はみんなで協力して行い、完成したときの達成感はひとしおです。 いよいよ本番では、事前に配られたオリジナルの星図を使って、チームで練習してきた成果を発揮します。星の名前が呼ばれると、すぐに望遠鏡を向けて、視野の中心にその星をとらえます。ジャッジが確認してOKが出ると、タイムが記録されます。北極星のような分かりやすい星から、アンドロメダ銀河のような難しい天体まで、レベルはさまざま。すべての星を制限時間内に見つけられるかが勝負のカギです。 スターキャッチコンテストのすごいところは、星を早く見つける技術だけでなく、望遠鏡を作ることで科学のしくみを学べること、そして仲間と協力して目標に向かう楽しさを体験できることです。
岡村典夫先生からみなさんへのメッセージ

 皆さんは、宇宙が大好きだと思います。私も小学校の頃から星空を見上げるのが好きでした。きっかけは叔父の手作り望遠鏡で土星を見たことでした。高校時代には自分でも望遠鏡を作り、その望遠鏡で初めて見た月は今でも忘れられません。そう、望遠鏡は作れるのです。その作った同じ条件の望遠鏡で星を素早く導入する競技がスターキャッチコンテストです。宇宙少年団の皆さんも興味を持ちましたらやってみましょう。きっと宇宙がますます好きになりますよ。

天体望遠鏡で星を視野に入れる難しさ 星はとても遠くにあるので、天体望遠鏡で見るときはとてもズームしている状態です。天体望遠鏡を少し動かすだけで、見ているところが大きく変わってしまいます。また、ケプラー式などの天体望遠鏡では、見える向きが上下左右さかさまになるので、天体望遠鏡を動かす向きもイメージと逆になるので、天体望遠鏡をのぞきながら星を視野に入れることはとても難しいのです。 そこで、天体望遠鏡で星を見るときは、まずは本体と並行についている「ファインダー」という低倍率で視野が広い照準器で星の場所をとらえ、次に本体でのぞいて、見える位置やピントを調整します。練習をすれば、だんだんコツがつかめてきます。

岡村先生と映画「この夏の星を見る」で使われた望遠鏡

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