ALMA ACA7mアンテナ 組立現場見学レポート


2009年、5月17日、宇宙ホンモノ体験活動「ALMA ACA7mアンテナ組立現場見学」を行いました。YAC団員のユースレポーター、川喜多太郎くんと梅谷星菜さんが松本零士YAC本部長とともに、アンテナを開発する三菱電機の工場(兵庫県高砂市)へ! 「ALMA」とは、南米チリのアタカマ砂漠付近のアンデス山中に80台の電波望遠鏡を設置し、これらを組み合わせて深宇宙を探査しようとしている計画のこと。完成すれば、あのすばる望遠鏡を上回る高精度の観測が可能になるのだとか! さてさて、そんな世界が注目するALMA計画の一部となる、ACA7mアンテナの製作現場はどうなっているのか? ユースレポーターのお二人、レポートのほうお願いします!


「川喜多太郎くんのレポート」

動く時は、ダイレクトドライブという磁力をつかって、うかせる装置をつかうのでとても静かでした。次に、パラボラアンテナの下にある受信室は、電子機器のはい熱でとても暑かったし、せまかったです。また、7mアンテナでもとても大きいのに、12mはもっと大きいのだろうと思いました。

アンテナの外側の円周上に黒い穴が二つあいた白い箱があったのでなにか聞いてみると、太陽光があたってアンテナがひずんでしまうことを少なくするための物だと教えてくれました。受信室の下の制御室にもたくさんの電子機器があって、ハッチからみて右側の部屋はコマンド(命令)を出す部屋で、左側の部屋は、ダイレクトドライブを動かす部屋です。内の電子機器には、電磁リレーもあるがだいたいは、直できていると係りの人が教えてくれました。パラボラ反射鏡は、アルミでできていて、仕組みは右の図で説明します。

まず1で宇宙からミリ波、サブミリ波が来ます。2で主反射ではねかえします。2で反射してきたものが3でそれを副反射鏡で観測機器(行った時は、まだ取りつけていませんでした。)におくります。だからとても鏡は正確に作らなければならないのです。終わりに、YACのみなさま、三菱電機のみな様に厚く御礼申し上げます。


「梅谷星菜さんのレポート」

5月17日日曜日、三菱電機のALMA AcA7mアンテナの組立現場で見学させて頂きました。

ただ宇宙が好き、それだけで電波望遠鏡を詳しく知らなかった私は実物を見てまずその大きさにビックリしました。ところがお話を伺うとまだ直径12mのアンテナ64台とそして直径7mのアンテナ16台を大阪環状線よりも広い東京山手線ぐらいの範囲に設置し、それらすべてが1つの望遠鏡として役割を成すとの事!! 想像がつかないくらい大きすぎる望遠鏡にきっとガリレオは「現代人もすごいものじゃのう」と感心しているに違いないと思いました。

松本零士本部長から直筆のサインをいただいてしまいました。
松本本部長と一番お世話になった三菱電機の石硯(いしずり)さんです。

そしてその性能!!あんなに巨大なアンテナが手元のリモコンでとても機敏に音も静かに私の思う通りに動くのです。音が静かなのはダイレクトドライブ法といってリニアモーターカーのように磁力で浮いて動くからだそうです。それら80台でデータを集めると東京から大阪に落ちている1円玉が見分けられる位の解像力があり、しかも遠隔操作が可能。そこまで伺うとあまりにもすごすぎてアンテナの素材だとかすべてが精密で私には理解出来ませんが1つ1つの部品がとても丁寧に研究者の方、技術者の方、関わっておられるすべての方が試行錯誤の上で出来上がったものなんだろうと思いました。たくさんの星を発見したハーシェルも「現代人よ 期待しているぞ」と言うに違いないと思いました。私は近い未来車がロボットに変身したり、空飛ぶ鉄道は可能じゃないかと 感じました。

直径7mのアンテナの内部には太陽光などでひずむのを抑えるため24コのファンを入れてあり均一温度にしてあるそうです。土台はもちろんしっかりした物になっているため内部はとても狭く、チリ山中の標高5000mでのメンテナンスなどは非常に大変だろうなぁと思いました。

ALMA計画の7mパラボラアンテナの全景です。ロボットみたい。
7mパラボラアンテナの後姿です。パラボラアンテナに見えません。

アルマ計画の目的に宇宙誕生の秘密に迫るや生命誕生の謎を解くなどがあるそうです。私は宇宙や生命の誕生がわかる事は地球が歩んできた年月分の観測が必要なのかなぁと思いますが、何が何のために宇宙や生命を作ったのか知りたいです。母は高度な知的生物のいた星が環境破壊や生命体自身が作ったロボットと脳力レベルが逆転し、支配され、滅んだ星の生命体の生き残りが地球の美しさを見て過ちを繰り返さない様に祈りながら生命が誕生する種をまいたの だと・・・。だから物は大切にしなくてはならないし、脳力レベルが落ちない様、勉強しなくてはいけないと言います。私はもっと科学的に”何か”を知りたいし、生命の元の素が気になるのでとてもアルマ計画に期待しています。その私ももし宇宙の元、生命の元を知った近い未来人がいるならタイムトラベルする事に成功したのだろうと夢が広がります。夢じゃなく現時点で身近にいるかもと思うと母と見たDVDのバック・トゥ・ザ・フューチャーみたく、なんだか気配を感じる時があるのは未来人がそっとやってきたのかとウキウキします。

話はそれてしまいましたが私にとってアルマ計画を見学させて頂いた事は夢が広がるとても心に残るものとなりました。

最後に1番印象深く素敵だと思った事! それは、アルマ計画に関わっておられる方々がすごく楽しそうで仕事というより夢いっぱいつまったこの計画を大切に大切に想っておられるのがとてもよく伝わってきた事です。そしてそういう気持ちでおられる方が世界中からこのプロジェクトに参加している事は国を越えて地球人としてすばらしいと思いました。この計画の一部に触れさせて頂き感謝します。

私も将来宇宙に関わる事の出来る一員になりたいと増々思いました。貴重なレポートをさせて頂きありがとうございました。

7mパラボラアンテナを前から見ました。お皿がきれいです。
7mパラボラアンテナを横から見ました。これで遠い宇宙を観るんだそうです。

国立天文台ALMA推進室長の立松先生です。ていねいにわかりやすく説明していただきました。
手元のリモコンでパラボラアンテナを上下左右自由に動かせました。音もなくすばやく思った方向に向けることができました。

おや、YACマークのウインドブレーカーの姿も!?



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