ワトニーを救うために地球のなかま

映画「オデッセイ」より

 映画「オデッセイ」では、火星に一人残された主人公ワトニーと、宇宙船のクルーや地球の仲間が困難に立ち向かう。実際の宇宙開発も、さまざまな困難に立ち向かってきた。人類は今、火星を目指している。火星に人を送るためには、宇宙放射線の問題、食料をどうするかなどさまざまな解決しなければいけない問題がある。しかし、未来を見すえ我々人類は、それらの問題に挑戦し続ける。
1969年、NASA(アメリカ航空宇宙局)がサターンVロケットで打ち上げたアポロ11号は、史上初の月着陸に成功。地球から月までは約38万キロメートル。月に着くまで、約102時間(4日と6 時間)かかったんだ。 月着陸船のイーグル号から降りたニール・A・アームストロング船長は、人類で初めて月面を踏み、「人間の小さな一歩だが、人類にとって大いなる飛躍だ」と無線機を通じて世界中に語りかけた。 そして、アームストロング船長とエドウィン・E・オルドリンの2人は、21時間36分もの間、月面にとどまり、月の石を地球に持ち帰ったんだ。 アポロ計画では、17号まで合計6回の月面着陸に成功し、12人の宇宙飛行士が月面に降り立った。

画像:NASA

ニールA.アームストロングが撮影したアメリカの国旗とエドウィンE.オルドリン
月着陸に成功したアポロ11号の宇宙飛行士 左から船長のニール・A・アームストロング、司令船パイロットのマイケル・コリンズ、着陸船パイロットのエドウィン・E・オルドリン

画像:NASA

 1970年に打ち上げられたアポロ13号は、月へ向かう途中で司令船の酸素タンクが爆発。電気や水、生命維持装置など、宇宙飛行士の命にかかわる大事故だったが、宇宙飛行士と地上のNASAのクルーは、最後まであきらめずにこの困難に立ち向かい、月面への着陸をあきらめ、月の軌道を回ったあと、無事、地球に宇宙飛行士を帰還させることに成功したんだ。

酸素タンクが爆発したアポロ13号の司令船

画像:NASA

アポロ13ミッションコントロールセンターの様子

画像:NASA

 「未来には、火星に人が行けるようになるの?」答えは、イエスでもあり、ノーでもある。なぜなら未来をつくるのは、きみたちだからだ。みんながそれぞれ夢を思い描き、挑戦し続けなければ、望んだ未来はやってこない。 日本宇宙少年団の合言葉は「go to mars together!」(一緒に火星に行こう!)「peace through space」(宇宙を通しての平和)だ。一緒に宇宙について学んだり、なかまと語ったりして、夢に向かって挑戦しよう!
 各国の宇宙機関が参加している国際宇宙探査協働グループISECG(International Space Exploration Coordination Group)では、2035年〜2040年ころまでに有人火星探査をすることを目標にしているぞ。 また、NASAは、2030年代中頃までに、人類を火星に送る「有人火星探査」を実施する計画を立てているんだ。

NASAの火星基地の想像図

画像:NASA

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