映画「オデッセイ」ではJPLの若き研究者が登場する。

映画「オデッセイ」より

映画「オデッセイ」より

 JPL(Jet Propulsion Laboratory)は、ジェット推進研究所といって、カリフォルニア工科大学の研究機関で、NASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙開発計画や宇宙探査計画の技術開発など、技術面を担当しているんだ。火星ローバーなど火星探査機の開発にも関わっているんだよ。
 NASAのマリナー4号が、火星に接近して、その表面が月と同じようにクレーターがたくさんあることがわかったんだ。その後、マリナー6号、7号、9号の探査で、火星の大気や、大渓谷や大火山などの地形の様子がだんだんわかってきたんだ。

マリナー4号

画像:NASA

1965年7月、マリナー4号が撮影した火星の様子。

 1971年、旧ソ連の火星探査機マルス3号が打ち上げられ、火星に着陸船を降下させて、気温や気圧などを観測したんだ。高度20キロメートルで気温は絶対温度の110℃、気圧0.3ヘクトパスカルというデータが得られたよ。
 1975年、火星表面の着陸をめざしてNASAのバイキング1号と2号が打ち上げられ、2機は着陸に成功。砂漠のような赤茶色をした火星表面の様子を撮影して地球に送ってきた。 カメラで撮影したり、砂を採取して調べたりしたが、生物がいるかどうかは確認できなかったんだ。

バイキング2号が撮影した火星の様子。

画像:NASA/JPL

画像:NASA

 NASAは、火星探査機「マーズ・グローバル・サーベイヤー」と「マーズ・パスファインダー」を打ち上げた。 「マーズ・パスファインダー」は、1997年に火星表面に着陸して、着陸機とローバーのソジャーナが、岩石の化学組成や風や気温などの気象データを地球に送った。
 NASAが打ち上げた火星探査機「2001マーズ・オデッセイ」は、火星周回軌道から火星を観測し、火星の南極と北極の下に大量の水や氷があることをしめすデータを送ってきた。2016年2月の今も火星で活躍中だ。

火星表面を調べるマーズ・パスファインダーのローバー「ソジャーナ」(奥)と通信の中継機として使用された着陸機(手前)。着陸機は、カール・セーガン記念基地と名前がつけられた。

画像:NASA/JPL

 NASAは、ローバー「スピリット」と「オポチュニティ」を打ち上げた。カメラや岩石を削り取って調べる装置を使って、火星に水が大量にあった証拠を発見した。

画像:NASA/JPL-CALTECH

オポチュニティが撮影した岩石。「ブルーベリー」と呼ばれていて、水の中で球形となったと考えられている。

画像:NASA/JPL-Caltech/Cornell/USGS

 ESA(欧州宇宙機関)もヨーロッパ初の火星探査機マーズ・エクスプレスを打ち上げ、火星の南極に水の氷を確認したり、大気中にメタンを観測したりした。  NASAは、火星探査機マーズ・リコネサンス・オービターを打ち上げた。火星周回軌道から最大解像度1メートルという細かさで火星表面をくまなく観測、火星に水が流れていた証拠となる地形を発見した。
 NASAは、火星探査史上最大かつ最高性能のローバー「キュリオシティ(意味:好奇心)」を火星地表に送り込んだ。生命のもととなる有機化合物やそれらをふくむ鉱物を見つけることができる観測装置を使って、火星の環境と生命について調べている。

火星表面のキュリオシティ

画像:NASA/JPL-Caltech/MSSS

 インド初、そしてアジア初となる火星周回機「マンガルヤーン」が火星周回軌道に投入された。

アメリカ合衆国カリフォルニア州パサデナにあるジェット推進研究所(JPL)で開発された3世代のローバー(左下がソジャーナ、左上がマーズ・ローバー(スピリットとオポチュニティー)、右がキュリオシティ)

画像:NASA/JPL-CALTECH

ローバー「オポチュニティ」のイメージ

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