映画「ファースト・マン」より

 映画「ファースト・マン」の主人公ニール・アームストロングはアメリカ空軍の「テストパイロット」だった。開発中のいろいろな超高速の飛行機にのってテストする仕事は危険ととなり合わせ。でも、ニールは、乗りこえる勇気と冷静さを持っていた。当時は、アメリカ(アメリカ合衆国)とソ連(ソビエト連邦)は、宇宙開発で競争をしていて、そんな中、ニールは宇宙飛行士に応募して、ついには、月面に初めており立つ「ファースト・マン」になったんだ。ニールの挑戦する姿は、きみの冒険心をしげきするはずだ!
 1961年4月、ソ連のユーリ・ガガーリンが「ボストーク1号」で人類初の宇宙飛行に成功!1時間48分をかけて地球を一周した。アメリカは、5月に宇宙飛行士を打ち上げたけど、弾道飛行といって、15分間で地球にもどってくるものだった。そんな中、アメリカのジョン・F・ケネディ大統領が、人類を月に送ると発表。アメリカは、そのあと、女性初の宇宙飛行士、人類初の船外活動でもソ連に先をこされてしまう。
 アメリカは、ソ連と競争をするように宇宙開発を進めた。まずは、一人乗りの宇宙船のマーキュリー計画で宇宙へ、地球の周りを飛行。次に二人乗りの宇宙船のジェミニ計画で、月に向かう準備をして、ついに、3人乗りの宇宙船のアポロ計画で、月に向かうことになる。ニールは、このジェミニ計画から参加したんだ。

マーキュリー計画のロケット

アポロ計画のロケット

画像:NASA

画像:NASA

画像:NASA

どんどん大きくなるアメリカのロケット ▶︎ ▶︎
レッドストーン
アトラス
タイタン
サターンV

ジェミニ計画のロケット

どんどん大きくなるアメリカの宇宙船
アポロ 宇宙船
ジェミニ 宇宙船
マーキュリー 宇宙船
▲ ▲ 3人乗り 2人乗り サターンV タイタン アトラス 1人乗り

画像:D. Meltzer

 夜、空を見上げると月が明るくかがやいているよね。月は、自分で光っているわけではなくて、太陽の光にてらされて光って見えるんだ。 月の大きさは、地球の約4分の1。小さいので、重力も小さくて、地球の6分の1しかない。月の上では、きみの体重はとてもかるく感じるはずだ。 月は、地球から約38万kmはなれたところを回っているよ。
 月にはほとんど空気がない。空気がないので、温度も人間が生きられるものじゃない。だから、月に行くなら宇宙服を着ないといけないよ。

月面のようす。遠くに三日月の

ような地球が見える。

地球 約38万km 月

画像:NASA

画像:NASA

地球30こ分もはなれている! 空気がない!
月
地球
今でも月はわからないことだらけ
 「ジェミニ」は、ふたご座という意味だよ。2人乗りの宇宙船を使ったミッションだ。10回打ち上げられて、ニールも入れて16人の宇宙飛行士が、月にむかうために必要ないろいろな技術をゲットするためにがんばった。
 1965年3月、ジェミニ3号は、二人の宇宙飛行士をのせて、地球を3周回って、その間に、コンピュータを使って宇宙船の軌道の高さを変える実験を成功させた。 同じ年の6月、ジェミニ4号が打ち上げられて、映画「ファースト・マン」にも登場するアメリカのエド・ホワイトが21分間の船外活動に成功! このデータは、アポロ計画の宇宙服をつくるのに役立ったんだ。  1965年12月4日、ジェミニ7号が打ち上げられ、15日、ジェミニ6号が打ち上げられ、地球を回りながら近づいていき、ランデブー飛行(となりでいっしょに飛行)することに成功した。

ジェミニ4号でアメリカ人初の

船外活動をするエド・ホワイト。

ジェミニ6号のまどから見た

となりを飛行するジェミニ7号。

画像:NASA

画像:NASA

ニールのミッションは、宇宙でのドッキング!
 1966年3月、ジェミニ8号が打ち上げられ、別に打ち上げられたアジェナという宇宙機とランデブー飛行をして、今度はドッキングするミッションに挑戦した。 ニールは、ジェミニ8号の船長として、無事に成功させることができるのか!?

ランデブー飛行中にジェミニ8号から見えたアジェナ。

画像:NASA

ジェミニ8号のニール・アームストロング(右)船長とパイロットのデビッドR.スコット(左)。

画像:NASA

 1967年1月、地上リハーサル中のアポロ宇宙船で火災がおこり3人の宇宙飛行士が死亡してしまう。「アポロ1号」と名付けた。その後、1968年10月「アポロ7号」は地球のまわりをテスト飛行し、1968年12月「アポロ8号」で月へ向かい、月を10周する。1969年7 月「アポロ11 号」でついに月面着陸に成功! 人類が初めて月面に立った。
 アポロの宇宙船は、3人の宇宙飛行士が乗り、大型のサターンロケットで打ち上げられる。月についたら、1人が司令船に残って月のまわりを飛行し、2人が着陸船で月に着陸する。 地球に帰るときは、着陸船の上の部分にのりこんで打ち上がり、司令船とドッキング。全員が司令船にのり、機械船を切りはなす。司令船は地球にもどり、海に着水するという計画だ。

アポロ宇宙船が月に着陸するまでの流れ

3人乗り

サターンVロケット

アポロの宇宙船

画像:D. Meltzer

画像:NASA

機械船 (サービスモジュール(SM))
月着陸船 (ルナモジュール(LM))
司令船 (コマンドモジュール(CM))
 宇宙へ行く、月へ行くためには、いろいろなことやものが必要で、それらは、すぐにできたわけじゃないんだね。ロケットや宇宙船も、技術を積み上げて、だんだん進化ていったんだね。次は、いよいよニールたちが月にむかうよ!

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