きみたちの中には、宇宙飛行士になりたいと思っている人がいると思うけど、宇宙飛行士は、何のために宇宙に行くのか。考えたことがあるかな? 宇宙に行ってみたいから? かっこいいから? 理由はいろいろあると思う。では、多くのスタッフが、そして国が、数人の宇宙飛行士を宇宙に送るために力を合わせるのはどうしてかな?
競争から協力へ
 アポロ計画のあと、ソ連とアメリカは、それぞれ「サリュート」と「スカイラブ」という宇宙ステーションを宇宙につくって、宇宙開発をすすめたんだ。でも、宇宙にいどむ人類の大きな夢は、それぞれでは限界があった。 アメリカとソ連は宇宙開発で競争を続けてきたけど、1975年7月、初のアメリカとソ連の共同飛行が実現したんだ。アメリカはアポロ宇宙船をソ連はソユーズ宇宙船を打ち上げて、宇宙でドッキング。それぞれの宇宙飛行士が宇宙船の中で会って、共同で実験をしたよ。 アメリカの宇宙飛行士は、ニールをジェミニ8号の船長に選んだあのディーク・スレイトンだ。

宇宙で会って記念撮影をするアメリカのディーク・スレイトン宇宙飛行士(左)とソ連のアレクセイA.レオノフ宇宙飛行士(右)

画像:NASA

ドッキングしたアメリカのアポロ宇宙船とソ連のソユーズ宇宙船の展示(スミソニアン博物館)

そして、全人類のために

 

国際宇宙ステーションでは、アメリカやロシア、ヨーロッパや日本など、いろいろな国の宇宙飛行士が協力して世界のために、宇宙の環境を使った実験をしている。

 今、宇宙には、国際宇宙ステーションがある。 アメリカやロシア、ヨーロッパ、カナダ、日本など15か国が協力して運用しているんだ。

国際宇宙ステーション

画像:NASA

画像:NASA

ゲートウェイのイメージ図

画像:NASA

 2018年、アメリカのNASAは、各国と協力をして、月の周りをまわる深宇宙ゲートウェイ(月軌道プラットフォームゲートウェイ)という宇宙ステーションを建設する計画を発表したんだ。宇宙飛行士が住む場所やロボットアーム、船外活動ができる機能などをもつ予定だ。深宇宙ゲートウェイができれば、月探査がしやすくなるだけでなく、もっと遠くの火星も目指しやすくなる。深宇宙ゲートウェイで仕事をするのは、きみかもしれないぞ!

NASAの火星基地の想像図

画像:NASA

 各国の宇宙機関が参加している国際宇宙探査協働グループISECG(International Space Exploration Coordination Group)では、2035年〜2040年ころまでに有人火星探査をすることを目標にしているぞ。 また、NASAは、2030年代中頃までに、人類を火星に送る「有人火星探査」を実施する計画を立てているんだ。
 「未来には、火星に人が行けるようになるの?」答えは、イエスでもあり、ノーでもある。なぜなら未来をつくるのは、きみたちだからだ。みんながそれぞれ夢を思い描き、挑戦し続けなければ、望んだ未来はやってこない。 日本宇宙少年団の合言葉は「go to mars together!」(一緒に火星に行こう!)「peace through space」(宇宙を通しての平和)だ。一緒に宇宙について学んだり、なかまと語ったりして、夢に向かって挑戦しよう!

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