076:ジェット機で宇宙へ行けるか?
◇酸素を使って燃料を燃やす
空を飛ぶジェット機には燃料が積まれています。そして、まわりの空気を吸い込んで、その空気に含まれている酸素を使って燃料を燃やします。燃やしてできたガスは、高速で後ろに向けてはき出されます。はき出したガスの反動で前向きの推進力を得るのです。
◇100キロメートルより上を「宇宙」と定義
では、このジェット機を使って国際宇宙ステーションが飛んでいる400キロメートルくらいの高さまで行けるでしょうか? 答えは「ノー」です。地球表面から上へ上へと昇っていくと、空気がだんだん薄くなっていきます。そして100キロメートルほどの高さになると、もう空気はほとんどなくなります。だから、世界航空連盟でも、100キロメートルより上を「宇宙」と定義しているのです。
ところが、10キロメートルくらいの高さでも、空気はかなり薄くなっており、ジェット機が10キロメートルより高いところまで昇ると、吸い込んだ空気の中には酸素がほとんど含まれていないのです。
するとジェット機の燃料を燃やすための酸素を補給できないので、もうジェット機はスピードを上げることができなくなります。だからジェット機は10キロメートルあたりまで来ると、もう上昇をやめて水平飛行に移ります。
◇酸素と燃料を一緒に運ぶ
ところが、ロケットは自分が酸素(または酸素を発生する酸化剤)を燃料と一緒に運んでいるので、まわりの空気を吸い込まなくても自分で燃料を燃やすことができます。
ロケットが、空気のない、真空の宇宙でもどんどんスピードを上げることができるのは、このような理由からです。
つまり、ジェット機では宇宙へ行けないけれど、ロケットを使えば宇宙へ飛んで行けるということになりますね。
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